-
2026.06.25
ブログ
相続税申告で見落としがちな「相続時精算課税」の確認ポイントとは?

相続税申告を進める中で、過去の贈与について確認していると「相続時精算課税制度を利用していたことを忘れていた」というケースが少なくありません。特に住宅取得等資金の贈与を受けた方や、かなり前に相続時精算課税を選択した方は注意が必要です。
相続時精算課税制度は、一度選択すると原則として暦年課税へ戻ることができません。そのため、相続税申告の際には過去の贈与履歴をしっかり確認することが重要です。
目次
■ 相続時精算課税制度とは
相続時精算課税制度は、父母や祖父母から子や孫へ財産を贈与する際に利用できる制度です。
贈与時には一定額まで贈与税を抑えることができますが、その代わりに贈与した財産は将来の相続時に相続財産へ加算して相続税を計算します。なお、令和6年1月1日以後の贈与については、各年の基礎控除110万円を控除した後の金額が相続財産へ加算されます。
制度を利用するためには、贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を税務署へ提出する必要があります。
国税庁「相続時精算課税の選択」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm国税庁「相続時精算課税制度のあらまし」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103_sankou.htm?utm_source=chatgpt.com
■ 住宅取得等資金の贈与を受けた方は要注意
平成21年頃までに住宅取得等資金の贈与を受けた方の中には、相続時精算課税制度を利用しているケースがあります。
この場合、贈与を受けた時点では税負担が軽減されていても、その財産は相続発生時に相続財産へ持ち戻して計算する必要があります。
しかし、贈与から長期間経過しているため、
- 当時の申告書が見当たらない
- 制度を利用したこと自体を忘れている
- 相続人が制度の利用を把握していない
といったケースが少なくありません。 相続税申告の際には、過去の贈与税申告書や税務関係書類を確認し、相続時精算課税制度を利用していないかチェックすることが重要です。
■ 相続時精算課税を選択した後の贈与にも注意
相続時精算課税制度を選択すると、その後に同じ贈与者から受ける贈与も原則として相続時精算課税の対象となります。
そのため、制度選択後に現金や預金などの贈与を受けた場合には、贈与税の申告が必要になるケースがあります。
特に注意したいのは、制度選択後の贈与について「少額だから申告していない」というケースです。
過去の贈与が申告されていない場合、相続時精算課税適用財産の把握漏れにつながる可能性があります。
■ 令和6年以降は110万円以下なら申告不要
令和6年1月1日以降の贈与からは、相続時精算課税制度にも年間110万円の基礎控除が創設されました。
これにより、年間110万円以下の贈与であれば贈与税申告は不要となります。ただし、制度選択そのものがなくなるわけではありません。110万円を超える贈与があった場合には従来どおり贈与税申告が必要です。
また、過去の贈与については当時の制度に基づいて判断する必要があるため、「今は申告不要だから大丈夫」と考えるのは危険です。
■ 相続税申告前に確認したいポイント
相続税申告を行う前に、次の点を確認しておきましょう。
- 過去に相続時精算課税制度を選択していないか
- 平成21年頃までに受けた住宅取得等資金の贈与で相続時精算課税制度を利用していないか
- 制度選択後の贈与について申告漏れがないか
- 過去の贈与税申告書を保管しているか
- 相続人間で贈与履歴を共有できているか
■ まとめ
相続時精算課税制度は、利用した当時の記憶が薄れていることも多く、相続税申告時に見落とされやすい制度の一つです。
特に過去に住宅取得等資金の贈与で相続時精算課税制度を利用した方は、相続財産への加算漏れがないか確認が必要です。また、相続時精算課税を選択した後の贈与についても、贈与税申告漏れがないか確認が欠かせません。
相続税申告の準備を進める際は、過去の贈与税申告書や関係資料を早めに確認し、過去の贈与履歴を一度整理しておくことをおすすめします。
■ 申告が必要か迷ったら、まずは専門家へご相談を
相続税申告は専門的な知識や判断が求められる場面も多く、ご不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
当事務所では、お一人おひとりの状況に寄り添い、丁寧にサポートいたします。
相続税の申告が必要かどうか迷われた際も、どうぞお気軽にご相談ください。PROFILE

-
向田会計は群馬県桐生市を拠点として、相続・贈与申告で年間50件以上の実績を持っています。満足のいく相続解決に向けて、常にお客様の立場に立った視点でサポートしております。
創業(1970年)からの経験と知識を、皆様のお役に立てるよう精一杯発揮し、より円滑な相続の解決と相続・贈与の申告を心掛けております。
最新記事
- 2026年6月25日ブログ相続税申告で見落としがちな「相続時精算課税」の確認ポイントとは?
- 2026年5月23日ブログ相続が続けて発生したら要確認!相次相続控除の適用条件を解説
- 2026年4月28日ブログ初めての相続でも安心!相続税の計算手順をやさしく解説
- 2026年3月24日ブログ相続から3年以内がポイント!取得費加算の特例の適用条件とは


