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2026.01.27
ブログ
令和6年税制改正に対応|60歳から始める失敗しない贈与の選び方

結論からお伝えすると、令和6年の税制改正後は「相続までの期間」と「贈与する財産の性質」を基準に、暦年課税と相続時精算課税を選ぶことが、60歳からの贈与で失敗しない最大のポイントです。
制度の良し悪しではなく、「どの制度が自分に合っているか」を見極めることが重要になります。令和6年(2024年1月1日)以降の贈与について、贈与税と相続税の考え方が大きく変わりました。特に生前贈与加算(相続財産への加算)の対象期間が従来の「相続開始前3年以内」から「最大7年以内」に拡大され、節税策としての暦年贈与の活用条件が変わっています。
目次
■暦年課税贈与の基本と改正後の注意点
まず押さえておきたいのが、暦年課税贈与です。
これは毎年110万円まで非課税で贈与できる制度で、長年利用されてきました。改正点:贈与の加算期間が拡大
令和6年1月1日以後の暦年課税に係る贈与については、相続開始前7年以内の贈与まで相続財産に加算される場合があることとなりました(段階的適用)。つまり、暦年課税であっても以下のような注意が必要です:
- 暦年贈与で非課税だった110万円以下の贈与額であっても、相続発生前7年以内に贈与された財産は相続財産に加算される可能性がある。
- ただし、加算対象期間の開始と完了は、相続発生日によって段階的に変わるため、注意が必要です。
そのため、相続までの期間が短い場合は、節税効果が限定的になる可能性があります。一方で、相続まで10年以上見込める方や、毎年少額ずつ計画的に贈与したい方には、今後も暦年課税は有効な選択肢となります。
国税庁「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm?utm_source=chatgpt.com
■相続時精算課税贈与の仕組みと令和6年改正のポイント
次に、相続時精算課税贈与(「相続時精算課税制度」)の仕組みと令和6年以降の改正ポイントについて説明します。
この制度は、60歳以上の親(父母または祖父母)から、原則として18歳以上の子や孫などの直系卑属に対して贈与を行う場合に選択できる贈与税の制度です。制度を選択すると、 贈与時に基礎控除110万円と累計2,500万円までの特別控除が適用され、これらの控除の範囲内であれば 贈与税がかかりません。令和6年1月1日以降の贈与については、年間110万円の基礎控除が新たに設けられ、基礎控除の範囲内の贈与は申告不要・贈与税もかからず、相続時の財産加算の対象にもなりません。
最大の特徴は、贈与時の評価額で相続税の計算がされる点です。つまり、贈与した財産の時価(贈与時評価額)が、贈与者が亡くなったときの相続財産に加算され、その評価額で相続税が計算されます。これにより、将来値上がりが見込まれる不動産や自社株などを早めに贈与することで、相続税負担を下げる効果が期待できる場合があります。
ただし、相続時精算課税制度には注意点があります。
- 相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。
- この制度を一度選択すると、同じ贈与者からの贈与については暦年課税制度に戻すことはできません。
- 基礎控除110万円を除いた累計2,500万円までの贈与額に贈与税はかかりませんが、その後の相続時には相続税として精算されます(相続税の支払いが免除される制度ではありません)。
国税庁「相続時精算課税の選択」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm?utm_source=chatgpt.com
■まとめ|制度理解と早めの行動が将来の安心につながる
60歳から贈与を始める場合、「とりあえず非課税だから」という理由だけで制度を選ぶのは危険です。相続までの想定期間、財産の内容、家族構成を踏まえたうえで判断することが不可欠です。
相続対策は早めに動くほど選択肢が広がります。桐生市近辺で贈与や相続についてお悩みの60歳以上の方は、制度を正しく理解したうえで、自分に合った贈与方法を選ぶことが、将来の安心につながります。
■申告が必要か迷ったら、まずは専門家へご相談を
相続税申告は専門的な知識や判断が求められる場面も多く、ご不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
当事務所では、お一人おひとりの状況に寄り添い、丁寧にサポートいたします。
相続税の申告が必要かどうか迷われた際も、どうぞお気軽にご相談ください。PROFILE

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向田会計は群馬県桐生市を拠点として、相続・贈与申告で年間50件以上の実績を持っています。満足のいく相続解決に向けて、常にお客様の立場に立った視点でサポートしております。
創業(1970年)からの経験と知識を、皆様のお役に立てるよう精一杯発揮し、より円滑な相続の解決と相続・贈与の申告を心掛けております。
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