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  • 2025.08.27

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    【ケース別解説】「タンス預金」「名義預金」を相続税で正しく申告する手順

    相続税の申告において、意外と見落とされがちなのが「タンス預金」と「名義預金」です。これらは相続人が気づかないまま申告漏れをしてしまうケースも少なくありません。

    結論から申し上げると、タンス預金・名義預金も相続財産に含まれ、きちんと申告する必要があります。では、具体的にどう確認し、どのように申告していけばよいのでしょうか。以下では、ケース別にその手順を整理してみましょう。


    ケース① 自宅に現金を保管していた場合(タンス預金)

    まず確認すべきは、自宅の金庫や引き出しに現金が残っていないかという点です。亡くなった方が生活費とは別に保管していた現金は、そのまま相続財産となります。

    • 金額にかかわらず、把握できた現金は申告対象です。
    • たとえ「生活費として使う予定だった」としても、亡くなった時点で残っていれば財産に含まれます。

    国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4105.htm


    ケース② 子や孫の名義で預金をしていた場合(名義預金)

    次に注意すべきが、名義預金です。これは、形式上は相続人の口座であっても、実質的には被相続人の資金で作られた預金を指します。
    典型的な例は以下のとおりです。

    • 祖父母が孫の口座を開設し、入金を続けていた
    • 生活費の範囲を超える額を子供の口座に移していた
    • 通帳や印鑑を被相続人が管理していた

    名義預金と判断される主なポイント

    名義預金に該当するかどうかは、次の要素を総合的に見て判断されます。

    • 預金の資金を拠出したのは誰か(被相続人の資金かどうか)
    • 預金通帳・印鑑・キャッシュカードなどを誰が管理していたか
    • 預金が実際に誰のために使われていたか
    • 子や孫への入金について、贈与の意思があったか(贈与契約の成立)

    国税庁「被相続人以外の名義の財産(預貯金)」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sozoku-tokushu/souzoku-ayamarijireishu/ayamarijirei6.pdf


    ケース③ 相続人自身が把握していない財産がある場合

    意外と多いのが、相続人が知らなかった財産の存在です。

    • 自宅や倉庫から現金が見つかる
    • 銀行に残高照会をしたら想定外の口座が出てくる
    • 遺族が管理していない通帳が後日発見される

    このような場合でも、申告期限<相続開始(死亡日)から10か月以内>までに把握できた財産はすべて申告しなければなりません。


    正しく申告するための手順まとめ

    1. 自宅の現金を確認:金庫やタンスの中を必ずチェックする
    2. 銀行口座をすべて洗い出す:相続人名義も含めて残高証明を取得する
    3. 入出金の流れを確認:誰の資金で預金されたのかを整理する
    4. 怪しい財産は専門家に相談:判断に迷う場合は税理士へ

    ■ まとめ

    タンス預金も名義預金も、被相続人の財産とみなされれば相続税の申告対象です。申告漏れがあれば、税務調査で発覚し、過少申告加算税・無申告加算税・延滞税が課されるリスクがあります。

    正しく申告し、将来の相続トラブルを防ぐことが、ご家族の安心につながります。


    ■申告が必要か迷ったら、まずは専門家へご相談を

    相続税申告は専門的な知識や判断が求められる場面も多く、ご不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
    当事務所では、お一人おひとりの状況に寄り添い、丁寧にサポートいたします。
    相続税の申告が必要かどうか迷われた際も、どうぞお気軽にご相談ください。

    PROFILE

    税理士法人 向田会計 代表社員 向田靖
    税理士法人 向田会計 代表社員 向田靖
    向田会計は群馬県桐生市を拠点として、相続・贈与申告で年間50件以上の実績を持っています。満足のいく相続解決に向けて、常にお客様の立場に立った視点でサポートしております。
    創業(1970年)からの経験と知識を、皆様のお役に立てるよう精一杯発揮し、より円滑な相続の解決と相続・贈与の申告を心掛けております。
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